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第19节(第2/6页)

    「さっきのママの話では、その後靖子は電話をかけているわけだ。しかも大した用でもないのに電話をくれとメッセージまで残している。ママが電話をかけたのが一時過ぎで、その後三十分ほど話している」

    「それがどうかしたんですか」

    「あの時――俺がアリバイを尋ねた時、どうして靖子はそのことをいわなかったんだろう」

    「どうしてってだっていう必要がないと思ったからじゃないんですか」

    「なぜだ」草薙は足を止め、後輩刑事のほうを向いた。「自宅の電話を使って第三者と話したというのは、自宅にいたことの証明になるぜ」

    岸谷も立ち止まった。口を尖らせている。

    「それはそうですが、花岡靖子にしてみれば、外出先のことを話せば、それで十分だと考えたんでしょう。もし草薙さんが、家に帰ってからのことまで質問していたら、電話のことを話したんじゃないんですか」

    「本当にそれだけが理由かな」

    「ほかに何が考えられるんですか。アリバイがないことを隠していたならともかく、アリバイがあることを黙っていたんですよ。そのことに拘こだわるほうがおかしいんじゃないかなあ」

    不満そうな顔の岸谷から目をそらし、草薙は歩きだした。この後輩刑事は、最初から花岡母娘に同情的だ。客観的な意見を求めるのは無理かもしれないと思った。

    草薙の頭の中では、今日の昼間に湯川と交わした会話の内容が蘇っていた。あの物理学者は、もし事件に石神が関わっているなら殺害が計画的なものだとは思えない、という主張を曲げようとしなかった。

    「彼が計画したのなら、アリバイ工作に映画館を使うようなことはしない」湯川はまずその点を上げた。「君たちが疑うように、映画館に行っていたという供述には説得性がないからだ。石神がそのことを考えないはずがない。さらに、もっと大きな疑問がある。石神には、花岡靖子に協力して富樫を殺害する理由がない。もし彼女が富樫によって苦しめられていたとしても、彼ならば別の解決策を考案する。殺人などという方法は絶対に選ばない」

    石神はそれほど残酷な人間ではない、という意味かと草薙は訊いた。湯川は冷静な目をしてかぶりを振った。

    「感情の問題ではない。殺人によって苦痛から逃れようとするのは合理的ではないからだ。なぜなら殺人を犯すことによって、またさらに別の苦痛を抱え込むことになる。石神はそんな愚かなことはしない。逆に、論理的でありさえすれば、どんな残酷なことでも成し遂げられる人間だ」

    では湯川は、石神はどういった形で事件に関与していると考えているのか。それについての彼の答えは次のようなものだった。

    「もし彼が関わったのだとしたら、殺人そのものには手を出せない状況だった、ということしか考えられない。つまり彼が事態を把握した時点で、すでに殺人は完了していたわけだ。そこから彼にできたことは何か。事件の隠蔽が可能なら、それをしただろう。不可能なら、捜査陣の追及を逃れる
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