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第27节(第5/6页)

    見下ろしていた。

    「どうしたんだ」

    なぜここに工藤がいるのか、すぐにはわからなかった。彼の顔を見ているうちに、会う約束をしていたことを思い出した。待ち合わせの場所に現れないので、心配して探しにきたのだろう。

    「ごめんなさい。ちょっと疲れて」それ以外、言い訳が思いつかなかった。それに実際ひどく疲れていた。もちろん身体が、ではなく、精神が、だ。

    「具合が悪いのかい」工藤が優しく声をかけてくる。

    だがその優しい響きも、今の靖子にはひどく間の抜けたものにしか聞こえなかった。真実を知らないということは、時には罪悪でもあるのだと思い知った。少し前までの自分もそうだったのだと思った。

    大丈夫、といって靖子は立ち上がろうとした。少しよろけると、工藤が手をさしのべてきた。ありがとう、と彼女は礼をいった。

    「何かあったの 顔色がよくないみたいだけど」

    靖子はかぶりを振った。事情を説明できる相手ではない。そんな人間はこの世にいない。

    「何でもないの。ちょっと気分が悪くなったから休んでただけ。もう平気よ」声を張ろうとしたが、とてもそんな気力は出なかった。

    「すぐそこに車を止めてある。少し休んでから行こうか」

    工藤の言葉に、靖子は彼の顔を見返した。「行くって」

    「レストランを予約してあるんだ。七時からといってあるけど、三十分ぐらいなら遅れても構わない」

    「ああ」

    レストランという言葉も、異次元のもののように聞こえた。これからそんなところで食事をしろというのか。こんな気持ちを抱えたまま、作り笑いを浮かべ、上品なしぐさでフォークとナイフを使えというのか。だが無論、工藤には何の責任もない。

    ごめんなさい、と靖子は呟いた。

    「どうしてもそういう気分になれないの。食事するなら、もっと体調のいい時のほうがいいわ。今日はちょっと、何というか‥‥‥」

    「わかった」工藤は彼女を制するように手を出した。

    「どうやらそのほうがよさそうだ。いろいろあったから、疲れても当然だ。今日はゆっくり休んだらいい。考えてみれば、落ち着かない日が続きすぎた。少し、のんびりさせてやるべきだった。僕が気が利かなかったよ。申し訳ない」

    素直に謝る工藤を見て、この人もいい人なのだと改めて靖子は思った。心底自分のことを大切に思っている。こんなにも愛してくれる人がたくさんいるのに、なぜ自分は幸せになれないのかと虚しかった。

    彼に背中を押されるようにして歩きだした。工藤の車は数十メートル離れた路上に止めてあった。送っていく、と彼はいってくれた。断るべきだと思ったが、靖子は甘えた。家までの道のりは、途方もなく遠く感じられた。

    「本当に大丈夫 何かあったんなら、隠さないで話してほしいんだけどな」車に乗り込んでから工藤は再び訊いてきた。今の靖子を見ていれば、気になって当然かもしれなかった。

    「うん、大丈夫。ご
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