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第9节(第2/6页)

    の問題に対し、自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確認するのとでは、どちらが簡単か。あるいはその難しさの度合いはどの程度か――クレイ数学研究所が賞金をかけて出している問題の一つだ」

    「さすがだな」湯川は笑ってグラスを傾けた。

    石神は机に向き直った。

    数学は宝探しに似ている、と彼は思っている。まずどのポイントを攻めればいいかを見極め、解答に辿り着くまでの発掘ルートを考案するのだ。そのプラン通りに数式を組み立てていき、手がかりを得ていく。何も得られなければ、ルートを変更しなければならない。そうしたことを地道に、気長に、しかし大胆に行うことによって、誰も見つけられなかった宝すなわち正解に行き着けるのだ。

    そうした喩たとえを使うなら、他人の解法を検証するというのは、単に発掘ルートをなぞるだけで簡単なことのように思える。しかし実際はそうではなかった。間違ったルートを進み、偽の宝物に辿り着いている結果について、その宝が偽物だと証明するのは、時に本物を探すよりも難しい場合がある。だからこそpnp問題などという途方もない問題が提示されているのだ。

    石神は時間を忘れた。闘争心と探求心、さらには誇りが彼を興奮させていた。彼の目は数式から一時も離れることがなく、脳細胞はそれらを操ることのみに使われた。

    突然石神は立ち上がった。レポートを手にし、後ろを振り向いた。湯川はコートをかぶり、身体を丸めて眠っていた。その肩を揺すった。

    「起きてくれ、わかったぞ」

    湯川は寝ぼけ眼でゆっくりと身体を起こした。顔をこすり、石神を見上げた。

    「何だって」

    「わかったんだよ。残念ながら、この反証には間違いがある。面白い試みだが、素数の分布について根本的な誤りがあって――」

    「ちょっと待った。待ってくれ」湯川が石神の顔の前に手を出してきた。「寝起きの頭で君の難解な説明を聞いたって、わかるわけがない。いや、頭が冴えてる時でも無理だ。白状すると、リーマン予想なんて僕にはお手上げなんだよ。君が面白がると思って、持ってきただけだ」

    「いいセンいってるとかいったじゃないか」

    「数学科の教授の受け売りだ。じつは反証にミスがあることはわかっていて、それで発表されなかったんだ」

    「じゃあ、俺がミスに気づいても当然ということか」石神は落胆した。

    「いや、すごいと思うよ。少々出来のいい数学者でも、即座にはミスに気づかないだろうとその教授はいっていた」湯川は腕時計を見た。「君はたったの六時間で見抜いた。見事だと思う」

    「六時間」石神は窓を見た。外はすでに白み始めていた。目覚まし時計を見ると、五時近くになっている。

    「相変わらずだな。安心したよ」湯川がいった。「ダルマの石神は健在だ。後ろ姿を見ながらそう思った」

    「すまん。湯川がいることを忘れていた」

    「構わんさ。それより君も少し眠ったほ
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