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第20节(第1/6页)

    う、と石神は思った。数学の本質とは無縁な、単に点数を稼がせるための試験を受けさせている。その採点をすることにも、それによって合否を締めることにも、何の意味もない。こんなものは数学ではない。もちろん教育でもない。

    石神は立ち上がった。深呼吸をひとつした。

    「全員、問題を解くのはそこまででいい」教室を見回して彼はいった。「残りの時間は、答案用紙の裏に、今の自分の考えを書くように」

    生徒たちの顔に戸惑いの色が浮かんだ。教室内がざわついた。自分の考えって何だよ、という呟きが聞こえた。

    「数学に対する自分の気持ちだ。数学に関することなら何を書いてもいい」さらに彼は付け加えた。「その内容も採点の対象とする」

    途端に生徒たちの顔がばっと明るくなった。

    「点数くれるの 何点」男子生徒が訊いた。

    「それは出来次第だ。問題のほうがお手上げなら、そっちでがんばるんだな」そういって石神は椅子に座り直した。

    全員が答案用紙をひっくり返した。早速、何やら書き始めた者もいる。森岡もその一人だ。

    これで全員合格にできる、と石神は思った。白紙答案では点の与えようがないが、何か書いてくれれば適当に点数をつけられる。教頭は何かいうかもしれないが、不合格者を出さないという方針には賛成してくれるはずだった。

    チャイムが鳴り、試験時間は終了になった。それでも何人かが、「もうちょっとだけ」といったので、石神は五分だけ時間を与えた。

    答案用紙を回収し、教室を出た。戸を閉めた途端、生徒たちが大声で話し始めるのが聞こえた。助かった、という声もあった。

    職員室に戻ると、男務員が待っていた。

    「石神先生、お客さんが見えてるんですけど」

    「客 私に」

    事務員が近寄ってきて、石神の耳元でいった。「刑事らしいんですけど」

    「ははあ」

    「どうしますか」事務員が様子を窺う表情をした。

    「どうするって、待ってるんでしょ」

    「そうですけど、何か適当な理由をつけて、帰ってもらってもいいですよ」

    石神は苦笑を浮かべた。

    「そんな必要ないですよ。どこの部屋ですか」

    「来客室で待ってもらってますけど」

    「じゃあ、すぐに行きます」

    答案用紙を自分の鞄に詰めると、それを抱えて職員室を出た。採点は自宅でやるつもりだ。

    事務員がついてこようとしたので、「一人で大丈夫です」といって断った。事務員の魂胆はわかっている。刑事が何の用でやってきたのか知りたいのだろう。追い返してやってもいいといったのも、そうすれば石神から事情を聞き出しやすいと思ったからに違いない。

    来客室に行くと、予想通りの相手が一人で待っていた。草薙という刑事だ。

    「すみません、学校まで押し掛けてきまして」草薙は立ち上がり、頭を下げた。

    「よく学校だとわかりましたね。春休みに入っているのに」

    「じつは一旦
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