设置

关灯

第21节(第4/6页)

    「僕や君が時計から解放されることは不可能だ。お互い、社会という時計の歯車に成り下がっている。歯車がなくなれば時計は狂いだす。どんなに自分一人で勝手に回っていたいと思っても、周りがそれを許さない。そのことで同時に安定というものも得ているわけだが、不自由だというのも事実だ。ホームレスの中には、元の生活には戻りたくないと思っている人間も結構いるらしい」

    「そんな無駄話をしていると、二、三分なんてすぐに経つぞ」石神は時計を見た。「ほら、もう一分経った」

    「この世に無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だけだ、ということをいいたかったんだ」湯川は石神の顔をじっと見つめてきた。「学校を辞める気なのか」

    石神は驚いて目を見開いた。「どうしてそんなことを」

    「いや、何となくそんな気がしたんだ。君だって、自分に与えられた役割が、数学教師という名の歯車だと信じているわけじゃないだろうと思ったからね」湯川はベンチから腰を上げた。

    「行こうか」

    二人は並んで隅田川沿いの堤防を歩きだした。石神は、隣の旧友が会話をしかけてくるのを待った。

    「草薙が君のところへ行ったそうだな。アリバイを確認したとか」

    「うん。先週だったかな」

    「彼は君を疑っている」

    「そうらしい。どうしてそんなふうに思ったのか、俺にはまるで見当がつかないんだが」

    すると湯川は、ふっと口元を緩めた。

    「じつをいうと彼だって半信半疑なんだ。僕が君のことを気にしているのを見て、君に関心を持ったにすぎない。おそらくこういうことをばらすのはまずいんだろうが、警察は君を疑う根拠を殆ど持っていない」

    石神は足を止めた。「どうしてそのことを俺に話すんだ」

    湯川も止まり、石神のほうを向いた。

    「友人だからだ。それ以外に理由はない」

    「友人なら話す必要があると思ったのか どうして 俺は事件とは無関係だぞ。警察が疑っていようといなかろうと、どっちでもいい」

    湯川が長く深いため息をつくのがわかった。さらに彼は小さくかぶりを振った。その表情がどこか悲しげであることに、石神は焦りを覚えた。

    「アリバイは関係ない」湯川は静かにいった。

    「えっ」

    「草薙たちは容疑者のアリバイを崩すことに夢中だ。花岡靖子のアリバイの不十分な部分を突いていけば、もし彼女が犯人であれば、いずれ真相に到達できると信じている。君が共犯者なら、君のアリバイについても調べれば、君たちの牙城を崩せると思っている」

    「おまえがなぜそんなことをいいだしたのか、俺にはさっぱりわからないんだが」石神は続けた。「刑事としては当然じゃないのかな、それは。君のいうように、もし彼女が犯人なら、という話だが」

    すると湯川はまた少し口元を緩めた。

    「草薙から面白い話を聞いた。君の試験問題の作り方についてだ。思い込みによる盲点をつく。たとえば幾何
    (本章未完,请翻页)