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第2节(第6/6页)

    そ疫病神の如く自分たちに取り憑つくに違いないと思った。

    しかし力比べになったら靖子に勝ち目はない。手の中でコードが滑った。

    その時だった。美里がコードにかけられた富樫の指を引き離しにかかった。さらに男の上に乗り、彼が暴れるのを必死で止めようとした。

    「おかあさん、はやくっ、はやくっ」美里は叫んだ。

    もはや躊躇ためらっている場合ではなかった。靖子はきつく目を閉じ、両腕に渾身の力を込めた。彼女の心臓は大きく鼓動していた。どっくどっくと血の流れるのを聞きながら、コードを引っ張り続けた。

    どれぐらいそうしていたのか、自分ではわからなかった。我に返ったのは、おかあさん、おかあさん、と小さく呼びかける声が聞こえてきたからだ。

    靖子はゆっくりと目を開けた。彼女はまだコードを握りしめていた。

    すぐ目の前に富樫の頭部があった。ぎょろりと開いた目は灰色で、虚空を睨んでいるように見えた。その顔色は鬱血のため青黒くなっていた。首にくいこんだコードは、皮膚に濃い色の痕をつけていた。

    富樫は動かなかった。唇から涎よだれが出ていた。鼻からも液体が漏れていた。

    ひいい、と声を上げ、靖子はコードをほうりだした。ごん、と音をたてて富樫の頭部は畳に落ちた。それでも彼はぴくりともしなかった。

    美里がおそるおそるといった感じで、男の上から降りた。制服のスカートがくしゃくしゃになっている。座り込み、壁にもたれかかった。その目は富樫を見ている。

    しばらく母娘は無言だった。二人の視線は動かない男に張り付いたままだった。蛍光灯のジーという音だけがやけに大きく靖子の耳には聞こえた。

    「どうしよう」靖子は呟きを漏らした。頭が空白のままだった。「殺しちゃった」

    「おかあさん」

    その声に、靖子は娘に目を向けた。美里の頬は真っ白だった。しかし目は充血しており、その下には涙の跡があった。彼女がいつ涙を流したのか、靖子にはわからなかった。

    靖子はもう一度富樫を見た。息を吹き返してほしいようなそうでないような、