第9节(第4/6页)
à饯螭胜栅Δ摔い盲郡韦稀⑿麓髽颏蜗陇颏挨辍⒂缣锎à搜丐盲茪iき始めた時だった。ホームレスの住処が並んでいるからだろう。
白髪混じりの髪を後ろで縛っている男が洗濯物を干していた。その先には石神が缶男と名付けている男が例によって空き缶を潰していた。
「いつもと同じ光景だ」石神はいった。「この一か月間、何も変わっちゃいない。彼等は時計のように正確に生きている」
「人間は時計から解放されるとかえってそうなる」
「同感だ」
清洲橋の手前で階段を上がった。すぐそばにオフィスビルが建っている。一階のガラスドアに映った自分たちの姿を見て、石神は小さく首を振った。
「それにしても湯川はいつまでも若々しいな。俺なんかとは大違いだ。髪もどっさりあるし」
「いやあ、これでもずいぶん衰えた。髪はともかく、頭の働きは鈍くなったと思うよ」
「贅沢なことを」
軽口を叩きながらも石神は少し緊張を覚えていた。このままだと湯川はべんてん亭までついてくるだろう。花岡靖子と自分との関係について、この洞察力に優れた天才物理学者が何か感づきはしないかと少し不安になった。また、石神が見知らぬ男と一緒にやってきたことで、靖子が狼狽を見せないともかざらない。
店の看板が見えてきたところで石神はいった。
「あれがさっき話した弁当屋だ」
「ふうん。べんてん亭か。面白いネーミングだな」
「今日も買っていくよ」
「そうか。じゃあ、僕はここで」湯川は立ち止まった。
意外ではあったが、助かったと石神は思った。
「ろくな持てなしができなくて申し訳なかった」
「最高の持てなしをしてもらったさ」湯川は目を細めた。「もう、大学に戻って研究する気はないのか」
石神はかぶりを振った。
「大学で出来ることは自分一人でも出来る。それに、この歳からじゃあ引き取ってくれる大学はないだろう」
「そんなことはないと思うけど、まあ、無理にとはいわない。これからもがんばってくれ」
「湯川もな」
「会えてよかった」
握手した後、湯川が遠ざかっていくのを石神は見送った。名残惜しかったわけではない。自分がべんてん亭に入っていくところを見られたくなかったからだ。
湯川の姿が完全に消えた後、彼は踵を返し、足早に歩きだした。
7
石神の顔を見て、靖子はなぜか安堵した。彼が穏やかな表情をしていたからだ。昨夜、珍しく彼の部屋に来客があったようで、遅くまで話し声が聞こえていた。もしや刑事ではないのかと気に病んでいた。
「おまかせ弁当を」いつものように抑揚のない声で彼は注文した。そしていつものように靖子の顔を見ようとしない。
「はい、おまかせひとつ。ありがとうございます」応えてから彼女は小声で囁ささやいた。「昨日、どなたかお客さんが」
「あああ」石神は顔を上げ、驚いたように瞬まばたきした。そ
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