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第11节(第3/6页)

    「いや、それがさ――」

    草薙は盗難自転車にまつわるエピソードを湯川に話した。

    湯川は金縁眼鏡の奥の目を見開いた。

    「すると被害者は現場に行くのに、わざわざ駅で自転車を盗んだというのか。バスやタクシーを使わずに」

    「そういうことになる。調べたところでは、被害者は失業中で、ろくに金を持ってなかった。バス代も惜しかったんだろうな」

    湯川は釈然としない顔つきで腕を組み、鼻から大きく息を吐いた。

    「まあいい。とにかく、そのようにしてa子と被害者は現場で会ったわけだな。後を続けてくれ」

    「待ち合わせをしていたとしても、a子はどこかに隠れていたと思う。被害者が現れるのを見て密かに背後から近づく。手にした紐を被害者の首にかけ、思いきり絞めた」

    「ストップ」湯川が片手を広げて出した。「被害者の身長は」

    「百七十センチ少々」草薙は舌打ちしたい気持ちを抑えて答えた。湯川が何をいいたいのかはわかっていた。

    「a子は」

    「百六十ってところかな」

    「十センチ以上の差か」湯川は頬杖をつき、にやりと笑った。「僕のいいたいことはわかっているよな」

    「たしかに自分よりも背の高い人間を絞殺するのは難しい。首についた痕の角度からも、上方に引っ張り上げられるように絞められたことは明白だ。だけど、被害者が座っていたことも考えられる。自転車に跨った状態だったのかもしれない」

    「なるほどね、屁理屈はつけられるわけか」

    「屁理屈じゃないだろ」草薙は拳こぶしでテーブルを叩いた。

    「それから 服を脱がし、持参してきたハンマーで顔を潰し、ライターで指紋を焼く。服を燃やし、現場から逃走する。そういうことかい」

    「錦糸町に九時に着くことは不可能じゃないだろ」

    「時間的にはね。だけど、その推理にはずいぶんと無理がある。まさか捜査本部の人間全員が、君のその考えに同調しているんじゃないだろうな」

    草薙は口を歪め、ピールを飲み干した。通りかかった店員におかわりを注文してから湯川のほうに顔を戻した。

    「女には無理じゃないかっていう意見が多いよ」

    「だろうな。いくら不意を襲ったところで、男に抵抗されたら絞殺なんてできっこない。そして男は絶対に抵抗する。その後の死体処理にしても女性には難しい。残念だが、僕も草薙刑事の意見には賛成しかねるな」

    「まあ、おまえならそういうだろうと思ったよ。俺だって、この推理が当たりだと信じているわけじゃない。いろいろとある可能性のひとつだと思っているだけで」

    「ほかにもアイデアがありそうな口ぶりだな。せっかくだから、けちけちしないで、別の仮説を開陳したらどうだ」

    「もったいぶってるわけじゃない。今のは、死体の見つかった場所が犯行現場だと考えた場合の話だ。別の場所で殺して、あの現場に捨てたということも考えられる。捜査本部では、そっちの説をとる人間のほうが今のところ
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