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第13节(第5/6页)

    、いずれも靖子の携帯電話に繋がらなかったのだ。今までそういうことは一度もなかったので、何かアクシデントでも起きたのかと心配したが、靖子の声を聞くかぎりでは、そういうことはなさそうだ。

    遅くになってから花岡母娘の部屋のドアホンが鳴るのを石神は聞いたのだが、やはり刑事だったようだ。靖子によれば、映画館の半券を貸してくれといわれたらしい。彼等の目的が、石神にはわかっていた。おそらく、映画館で保管されている、もう一方の半券と照合する気なのだ。彼女が渡したものと切り口の合致する半券が見つかれば、それに付いている指紋を調べるに違いない。そこに靖子たちの指紋がついていれば、映画を見たかどうかはともかく、映画館に入ったことだけは証明される。だがもし指紋がなければ、彼女たちへの疑惑は一層高まることになる。

    さらに靖子の話では、刑事は炬燵のことをあれこれと尋ねたらしい。それもまた、石神としては予想できたことだった。

    「おそらく凶器が特定されたんでしょう」石神は電話口にいった。

    「凶器というと」

    「電気炬燵のコードです。あなた方はあれを使ったわけでしょう」

    電話の向こうで靖子は無言になった。富樫を絞殺した時のことを思い出したのかもしれない。

    「絞殺すれば、凶器の痕がまず間違いなく首に残ります」石神は説明を続けた。婉曲えんきょくな表現を選んでいる場合ではなかった。「科学捜査は進んでいますから、どんなものが凶器として使用されたか、その痕からほぼ特定できるのです」

    「それであの刑事さんは炬燵のことを」

    「そうだと思います。でも心配することはない。それについてはすでに手は打ってあるわけですから」

    警察が凶器を特定することは予想していた。だから石神は、花岡家の電気炬健を、自分の部屋のものと交換したのだ。彼女たちの電気炬燵は、現在は彼の部屋の押入にしまい込まれていた。

    しかも都合のいいことに、元々彼が持っていた電気炬燵のコードは、彼女たちのものとはタイプが違うのだ。刑事が電気コードに注目していたなら、すぐにそのことに気づいたはずだった。

    「ほかには刑事からどんなことを訊かれましたか」

    「ほかは」そういったきり、彼女は黙り込んだ。

    「もしもし、花岡さん」

    「あ、はい」

    「どうかしたんですか」

    「いえ、何でもないです。どんなことを刑事さんから質問されたか、思い出そうとしていたんです。ほかには特に何もありませんでした。映画館に行っていたことを証明できれば疑いは晴れる、という意味のことをいわれただけです」

    「彼等は映画館にこだわるでしょう。そうなるように計算してプランを立てたのだから当然のことです。何も怖がることはありません」

    「石神さんにそういっていただけると安心です」

    靖子の言葉に、石神は胸の奥に明かりが灯ったような感覚を抱いた。四六時中続いている緊張が、一瞬だけ緩んだように
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