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第13节(第1/6页)

    は俯き、唇を舐めてから顔を上げた。「それはあの御愁傷様でした。大変だったでしょう」

    「いろいろとね。でも今もいったように、本当にあっという間だったんだ。腰が痛いとかいって病院に行ったかと思うと、突然医者から呼ばれて病気のことを知らされて。入院、手術、看病――まるでベルトコンベアに載せられているみたいだった。無我夢中で時間が過ぎて、そうして逝ってしまった。本人が病名を知っていたかどうかは、今となっては永遠に謎だ」そういって工藤はグラスの水を飲んだ。

    「病気のこと、いつわかったの」

    工藤は首を傾げた。「一昨年の暮れかな」

    「じゃあ、まだあたしがまりあんにいた頃じゃない。工藤さん、お店に来てくれてたよね」

    工藤は苦笑し、肩を揺すった。

    「不謹慎な話だよな。女房が生きるか死ぬかって時に、亭主が飲みに行ってちゃあいけないよな」

    靖子は身を固くしていた。いうべき言葉が思いつかなかった。店で見せていた、工藤の明るい笑顔が蘇っていた。

    「まあ、言い訳をさせてもらえるなら、そういうわけでいろいろと疲れてたものだからさ、少し癒いやされようと思って、靖子ちゃんの顔を見に行っていたということなんだ」彼は頭を掻き、鼻の上に皺を寄せた。

    靖子は依然として声が出なかった。彼女は自分が店を辞めた時のことを回想していた。今日で最後という日、工藤は花束を持ってきてくれた。

    がんばって幸せになれよ――。

    どんな気持ちで彼はあんな言葉をかけてきたのだろうか。自分のほうがもっと大きな苦労を背負っているというのに、そのことをおくびにも出さず、靖子の再スタートを祝ってくれた。

    「湿っぽい話になっちゃったな」工藤は照れを隠すように煙草を出してきた。「要するに、そういう事情だから、もう僕の家庭についてあれこれ心配することはないといいたかったわけだ」

    「あ、でも息子さんは 今度、受験なんでしょ」

    「息子は実家で面倒をみてもらっている。そっちのほうが高校には近いし、僕じゃあ、あいつのために夜食を作ってやることもできないからね。お袋は孫の世話を焼けてうれしそうだ」

    「じゃあ、本当に今は一人で生活してるの」

    「生活といったって、家にはただ帰って寝るだけだけどね」

    「この前はそんなこと、全然いわなかったじゃない」

    「いう必要もないと思ったんだ。君のことが心配で、会いに行ったわけだからね。でもこういうふうに食事に誘った場合、君は僕の家庭のことを気にするだろ。だから、いっておいたはうがいいと思ってね」

    「そうだったの」靖子は目を伏せた。

    工藤の本心はわかっていた。彼は暗に、正式に付き合ってほしいと伝えてきているのだ。それも将来を見据えた交際にしたいと考えているのかもしれない。美里に会いたいといった理由も、そのあたりにあるように思えた。

    レストランを出ると、工藤は前と同様にアパートまでタクシー
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