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第15节(第5/6页)

    君が訪ねてきたと大学院生が言ってた。君は昨夜も僕を訪ねてきたそうじゃないか。それで、ここで待っていれば君が現れるだろうと予想したわけさ。僕が篠崎に来ているらしいことは、大学院生から聞いて知っているだろうからね」

    湯川のいうとおりだった。帝都大学の研究室に行ったところ、昨日と同様に彼は外出中だと知らされたのだ。行き先が篠崎ではないかと推理したのは、昨夜大学院生から聞いた話が元になっている。

    「俺は、おまえが何のためにこんなところに来ているのかを訊いてるんだ」草薙は少し大きな声を出した。この物理学者のまどろっこしい言い回しには慣れているつもりだが、苛立ちは抑えられなかった。

    「まあ、そう焦るなよ。コーヒーでもどうだ。自動販売機のコーヒーだけど、うちの研究室で飲むインスタントよりはうまいはずだぜ」湯川は立ち上がり、ソフトクリームのコーンを近くのゴミ箱に投げ捨てた。

    スーパーの前にある自販機で缶コーヒーを買うと、湯川はそばの自転車に跨って、それを飲み始めた。

    草薙は立ったまま缶コーヒーの蓋を開け、周囲を見回した。

    「他人の自転車に勝手に乗るなよ」

    「大丈夫だ。これの持ち主は当分現れない」

    「どうしてそんなことがわかる」

    「持ち主はこれをここに置いた後、地下鉄の駅に入っていった。一つ隣の駅まで行くだけにしても、用を済ませてから帰ってくるまでに、三十分ぐらいはかかるだろう」

    草薙はコーヒーを一口飲み、げんなりした顔を作った。

    「あんなところでソフトクリームを食いながら、そんなことを眺めてたのか」

    「人間観察は僕の趣味でね。なかなか面白い」

    「能書きはいいから、早く説明してくれ。どうしてこんなところにいる 例の殺人事件とは無関係だなんていう、見え透いた嘘はつくなよ」

    すると湯川は身体を捻り、跨っている自転車の後輪カバーのあたりを見た。

    「最近じゃ、自転車に名前を書いている人は減ったな。他人に身元を知られたら危険だという配慮からだろう。昔は、必ずといっていいほど名前を書いたものだけど、時代が変われば習慣も変わる」

    「自転車が気になるようだな。たしか、以前もそんなことをいっていた」

    先程からの言動で、湯川が何を意識しているのか、草薙にもわかってきた。

    湯川は頷いた。

    「君は以前、自転車が捨てられていたことについて、偽装工作である可能性は低いという意味のことをいってたな」

    「偽装工作としては意味がないといったんだ。わざと自転車に被害者の指紋を付けておくなら、死体の指紋を焼く必要はないだろ。実際、自転車の指紋から身元が割れたんだし」

    「そこなんだがね、もし自転車に指紋が付いてなかったとしたらどうだろう。君たちは死体の身元を突き止めることはできなかっただろうか」

    湯川の質問に、草薙は十秒ほど黙った。考えたことのない問題だった。

    いや、と彼はいっ
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