设置

关灯

第16节(第3/6页)

    線を落とした後、頷きかけてきた。

    「それならそれで仕方がないな。今回は別行動ということにしよう」そういって歩き始めた。その背中には強い意思が示されていた。草薙はもう声をかけなかった。

    煙草を一本吸ってから草薙は駅に向かった。時間を潰したのは、湯川と同じ電車に乗らないほうがいいだろうと判断したからだ。理由はわからないが、今回の事件には湯川の個人的な問題が関わっており、彼はそれを一人で解決しようとしている。その思考の邪魔をしたくなかったのだ。

    地下鉄に揺られながら草薙は考えた。湯川は何を悩んでいるのか。

    やはりあの数学教師のことだろう。名前は石神といったはずだ。だが草薙たちのこれまでの捜査では、石神のことなどどこにも浮かび上がってきていない。ただ花岡靖子の隣人というだけのことだ。それなのになぜ湯川が彼を気にするのか。

    草薙の脳裏に、弁当屋で見た光景が蘇った。夕方、湯川は石神と現れた。石神によれば、湯川がべんてん亭に行きたいといいだしたそうだ。

    湯川は無意味なことをわざわざする人間ではない。石神と共にあの店に行ったのは、何らかの狙いがあったからなのだ。それは一体何か。

    そういえば、あの直後に工藤が現れたのだった。しかし湯川がそのことを予期していたとは思えない。

    草薙は何となく、工藤から聞いた様々な話を思い出していた。彼の話の中にも石神のことなど出てこなかった。というより、誰の名前も出さなかった。工藤は、はっきりとこういったのだ、自分は告げ口をしない主義だ、と。

    その瞬間、何かが草薙の頭に引っかかった。告げ口をしない主義――その台詞が出たのは、どういう話をしていた時だろう。

    「彼女に会いたくて弁当を買いに来る客だっているそうですよ」苛立ちを抑えながらそういっていた工藤の顔を思い出した。

    草薙は大きく息を吸い込み、背中をぴんと伸ばした。向かいに座っていた若い女性が、気味悪そうに彼を見た。

    草薙は地下鉄路線図を見上げた。浜町で降りよう、と思った。

    ハンドルを握るのは久しぶりだが、走り始めて三十分もすると、運転自体には慣れてきた。ただし、目的の場所で路上駐車するのには少し手間取った。どこに停めても他の車の迷惑になるような気がするからだった。幸い、どこかの軽トラックが無造作に駐車したので、そのすぐ後ろに停める決心がついた。

    レンタカーを借りたのは二度日だった。大学で助手をしていた頃、学生たちを連れて発電所の見学に行った際、現地を移動するのにどうしても必要で、やむなく借りたのだ。あの時には七人乗りのワゴン車だったが、今日は国産の小さな大衆車だ。だから運転はずいぶんと楽だ。

    石神は斜め右側の小さなビルに目を向けた。有限会社ヒカリグラフィックの看板が出ている。工藤邦明の会社だ。

    この会社を探り当てるのは、さほど難しいことではなかった。刑事の草薙から、工藤という名字と、印刷会社を経営し
    (本章未完,请翻页)