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入j貨屋の主人はいっている」
湯川がゆっくりと草薙のほうを向いた。
「警察としては、なんていう曖昧な表現は使わないでくれ。君は信じたのか、と訊いているんだ。捜査方針なんかどうでもいい」
草薙は頷き、ため息をついた。
「正直いうと、しっくりこない。話に矛盾はない。筋は通っている。だけど、何となく納得できない。単純な言い方をすると、あの男があんなことをするとは思えない、という気持ちだ。だけど、それを上司にいったところで、相手にはしてもらえない」
「警察のお偉方としては、無事に犯人が捕まったのだから、それでいいじゃないか、というところなんだろうな」
「はっきりとした疑問点がたとえ一つでもあれば話が違うんだが、見事に何もない。完璧だ。たとえば自転車の指紋を消さなかった点については、そもそも被害者が自転車に乗ってきたこと自体を知らなかったと答えている。これまたおかしい点はない。すべての事実は石神の供述が正しいと語っている。そんな中では、俺が何をいっても捜査が振り出しに戻ったりはしない」
「要するに、納得はできないが、流れのままに石神を今回の事件の犯人だと結論づける、というわけか」
「そういう嫌味な言い方はやめてくれ。そもそも、感情より事実を重視するのはおまえの主義じゃなかったのか。論理的に筋が通っている以上、気持ちでは納得できなくても受け入れなくてはならないってのは、科学者の基本なんだろ。いつもおまえがいってることだぜ」
湯川は軽く首を振りながら、草薙と向き合って座った。
「最後に石神と会った時、彼から数学の問題を出された。pnp問題というものだ。自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確かめるのとでは、どちらが簡単か――有名な難問だ」
草薙は顔をしかめた。
「それ、数学か。哲学的に聞こえるけどな」
「いいか。石神は一つの答えを君たちに提示した。それが今回の出頭であり、供述内容だ。どこから見ても正しいとしか思えない答えを、頭脳をフル回転させて考案したんだ。それをそのままはいそうですかと受け入れることは、君たちの敗北を意味する。本来ならば、今度は君たちが、全力をあげて、彼の出した答えが正しいかどうかを確かめなければならない。君たちは挑まれているし、試されているんだ」
「だからいろいろと裏づけを取っているじゃないか」
「君たちのしていることは、彼の証明方法をなぞっているだけだ。君たちがすべきことは、ほかに答えがないかどうかを探ることなんだ。彼の提示した答え以外には考えられない――そこまで証明して初めて、その答えが唯一の解答だと断言できる」
強い口調から、湯川の苛立ちを草薙は感じた。常に沈着冷静なこの物理学者が、そんな表情を見せることはめったにない。
「おまえは石神が嘘をついているというんだな。犯人は石神じゃないと」
草薙がいうと、湯川は眉をひ
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